放射線に苦しむ松島
宮城県の松島市は有名な「日本三景」の一つに数えられている。海には小さな島々が無数に浮かび、美しい風景画のようだ。しかし、観光客が明らかに減少していることがわかる。遊覧船はひっそりと岸に佇み、遊覧船に乗る人々から餌を貰うことに慣れているカモメたちも寂しそうに堤防に止まっている。地元の住民である渡辺芳政さんは記者に、「地震の後、松島を訪れる観光客は大幅に減少した。特に海外からの観光客の減少は著しい。その主な要因が福島原発事故による放射線の影響への懸念である」と教えてくれた。
松島は牡蠣の養殖が有名で、35年の歴史を持つ牡蠣祭りが毎年開催されている。渡辺さんはその発起人の一人である。「養殖していた牡蠣と漁船を流され、養殖関係者は甚大な被害を被った。牡蠣は食べられるまでに3年の養殖期間を必要とする。つまり、少なくともあと2年は収入が得られない。各方面の支援で生活するしかないのだ」と渡辺さんは言い、震災後の中国からの多くの支援に対し、わざわざ感謝の気持ちを伝えてくれた。
被災地復興の道はまだ長く、見渡す限りの廃墟は再生を待ち望んでいる。1年という年月では、東日本大震災で負った深傷を癒す事はできないが、被災地の復興のためには、これからも「がんばり続けなければいけない」のだと感じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月9日