◆高校生による「学級崩壊」
政治家の不作為、無能や低効率を目にしても、どうしようもない、というのが多くの日本人が広く抱いている矛盾した気持ちだ。こうした心理状態が逆に日本人の感情そのものに影響を与えている。長期的な視野と完ぺきな視点を持たず、学習を遠ざけ、ますます退廃しているのが、多くの日本人が批判する現在の日本社会最大の問題となっている。
140文字で書かれたツイッターを目にし、友人からのショートメールを目にする。多くの日本人が接する文字ではこれが最長である。修士や博士課程の院生は理論的著作にかじりつくことなどは望まず、小中高生もできるだけ読書や学習から逃れようとする。現在の日本の教育を語ると、多くの人が次々にうなずいた。
日本の高校生を対象にした調査で、ほぼ60%の生徒が自宅で学習する習慣のないことが分かった。記者は日本のある高校の授業を参観。1クラス30人余り、先生が授業をする机の前にいる十数人が聞いているだけで、他の生徒は居眠りをしたり、漫画を見たり……。教室内を勝手に動き回らなければ、教師は名指しで非難したりはしない。
授業が終わったあと生徒に聞いてみた。「どうして、きょう、参観している人がいるというのに、授業中に漫画を見たりするのかな」
ある生徒はこう答えた。「普段から誰も先生の授業なんか聞いてないし、きょうは、何人かが聞いたふりをしていたけど、それを見るとイヤな気分になる」
日本は生徒がまったく授業を聞かないことを「学級崩壊」と呼んでおり、社会がますます「下流」になっている表れでもある。
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