このところ、日本国内の政界ではいわゆる乱現象が続出。政権を握る民主党の大物、小沢一郎元代表が本党とたもとを分かつ決意をしただけでなく、主要な地方勢力も絶えず中央政府の政治と外交に介入、政府の政策決定行動に逆に圧力を加えようとする疑いすらある。ここで、日本の地方の政治勢力の台頭に何の理由もないわけではなく、さらには見かけ倒しでもなく、逆に重要な原因があることを強調したい。
第1は、地方政治勢力の指導的人物はいずれも日本国内屈指の“人気”ある政治家である。小説家出身の東京都知事の石原慎太郎氏にしても、弁護士だった現大阪市長の橋本徹氏にしても、政界に入る前はいずれも国内でよく知られた著名人だった。
第2は、ずば抜けた政治パフォーマンスと素晴らしい政治的演技力は彼らの優れた点である。石原氏や橋本氏を代表とする地方の指導者らはだれもがこの方面の達人であり、就任直後から報道界で重要な関係を築いてきた。さらに重要なのは、彼らはニュースをつくるのに長じていたため、自然と、メディアが競うように追いかける焦点の人物になった。
第3は、行政で実績を上げたことで、政治上の支持と経済上の援助などを含む支持を集めていった。例えば、橋本市長は大阪府知事の職にあった際、「小さな政府、大きな社会」という行政機構改革の推進で著しい成果を収め、大阪府の公務員体制全体のだらけたかつ事務効率の低かったその姿勢を徹底的に改めるなど、その行動への賛辞は極めて高い。
第4は、政治への強い意志力と政治への野心あふれる決意が地方政治独特の特徴である。橋本氏を例にすれば、当初、個人の政治理想を実現しようと、安定した弁護士生活を投げすて、大阪府知事選に参加して当選。その後、提唱する行政メカニズム改革と政治体制改革を徹底的に推進するため、再び大阪府知事という安穏な日々を捨てさり、大阪市長選に挑戦、そして順調に当選した。
第5は強力な潜在的協力パートナーが地盤を拡張するうえで重要な助手だったことだ。現在の日本の政局から見ると、野田内閣が主導する消費税率引き上げ法案に反対するために、小沢氏が民主党を去ったことから、日本の政局の変動は極めて大きな不確実性を帯びることになった。これを背景に、小沢氏が指導する国の政治勢力と一部の地方勢力が融合する可能性も排除できない。ましてや、一部地方政治勢力の観点(消費増税率反対など)は小沢派の観点と完全に合致しており、しかも彼らは水面下で接触や協議を繰り返している。そのため、こうした政治協力の可能性は将来の地方政治勢力の適応性をかなり増強し、一部地域政党が地方レベルから国家レベルに直接昇格するうえでもプラスとなるだろう。
最後に、一筆に値するのは、近年、日本国内の政界の保守化傾向が比較的顕著なことだ。地方政治勢力が加わることで、この傾向への転換が加速しているようであり、同時に一部極端な民族主義的な要素も注入された。中日両国の理性ある政治家たちはこのことを十分重視しなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月4日