二つ目の関門は、票田だ。民主党最大の支持者は、「選挙の票田」と称される日本労働組合総連合会だ。同連合会は日本全国で700万名弱の会員を持ち、その大部分の票が民主党に投じられる。消費税増税問題について、同連合会は支持の立場を貫いてきた。古賀伸明会長は小沢新党に対して、そっけない態度を示している。古賀会長は記者団から小沢新党について問われると、「新党作りますかね?」 と逆質問した。小沢氏が同連合会の支持を得られなければ、50名のみの小沢グループの議員、新たに入党した若い議員は、選挙で勝利を収めることが困難となる。
3つ目の関門は、スキャンダルだ。小沢氏は近年スキャンダルに巻き込まれており、日本メディアの「寵児」となっている。メディアは躍起になって「小沢叩き」をしており、小沢氏の裁判も継続中だ。また、土地購入に関する政治資金規正法違反の判決が、党代表選が行われる9月に下される見通しとなっている。被告として出廷しながら、党代表選に出馬したところで、勝算はあるのだろうか。
小沢氏は新党に掲げる政策について、消費増税の先行反対、脱原発、地域主権等の内容を盛り込んだ。前の2つの政策はあまり独特なものではないが、後者の地域主権については、日本各地の地方政府との接触点があり、橋下徹大阪市長の「大阪維新の会」、河村たかし名古屋市長の「政治塾」、石原慎太郎東京都知事ら右翼勢力と合流する可能性がある。地方の勢力が国政に関与し、地方が中央を抑制し、内政が外交をがんじがらめにするという「第三極の地域政党」が、日本の政局を変えることもあり得るのだ。(文=蒋豊 「人民日報海外版日本月刊」編集長、「日本新華僑報」編集長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年7月4日