日本政府は1カ月間にこのような変化が起ころうとは全く思いもよらなかっただろう。1カ月前、ロシアはまだ厳粛な態度で、今後ロシアは日本向けの天然ガスパイプラインの海底敷設を予定しているといっていた。態度は思いがけないほど早く変化した。6月29日、ロシアの政府系天然ガス独占企業ガスプロムのミレル社長は正式に「技術的、経済的にも不適当だとの結論を得た」と回答し、ロシアはこの計画の放棄を決定した。
ミレル社長はさらに将来的な提携の可能性までも封印した。対日供給の手法では、唯一液化天然ガスのみが検討されると発言。契約者としてのロシアは2つの理由を提示した。技術的、経済的に不適当だということだ。
中国能源網(エネルギー関連ニュースサイト)の首席情報官である韓暁平氏によれば、技術的には主に北部の凍土層のこのようなパイプラインを敷設することは非常に難しい。凍土地帯は夏には溶け出すが、冬季は凍ってしまう。おそらく頻繁に地質の変化があるだろう。複雑な技術を多用せざるを得ない。また、パイプラインの供給の安全性を保障できないだろう。経済的に不適当であることは明白で、パイプライン敷設のコストは非常に高価だ。中間は日本の投資もなく非常に難しい。経済的計算しても不適当だといえる。
清華大学の劉江永教授は、ロシアは最近メドベージェフ首相が新任し、南千島列島(北方四島)の島に上陸するなど日本側は不満を露わにしている。両国のこのような政治上の不協和音を、天然ガス運用をひとつのバランスをとる分銅にして、さらに直接勝負をかけた。最近、朝鮮はロシアと天然ガスパイプラインの敷設について、ひとつの結論を得たらしい。ロシアは北東アジア地域にエネルギーを輸送することで、重要な資源カード、外交カードを手中にした事になる。ロシアには多くの選択肢があり、日本だけが目的ではない。日本には、ロシアは空高くそびえる大木に見えるだろうが、ロシアにとって、日本は森の中の1本に過ぎない。おそらくこの契約は最初から勝ち負けが決まっていたのだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月4日