写真3:緑がまぶしい、北海道大学の夏
チャイナ:この北京事務所にいらっしゃるスタッフは、北海道大学に留学されたことがある方だそうですが、野澤所長は中国と日本の教育現場をご覧になって、その違いはどこにあるとお考えですか?また、その理由はなんだと思われますか?
野澤:大きなテーマですし、私は大学を代表してこのような問題について論じることはできませんが、長い期間にわたって中国からの学生に会う機会がありましたので、やはり80年代、90年代と最近とでは学生の目的が変わってきているのは感じます。
人的交流が始まったばかりの中国から留学生を受け入れ始めた80年代の学生は、どこか国を代表し学校を代表して日本に来ている人が多かったのですが、今は私費の学生も増えました。また、やはり皆さん学位取得を目的にいらっしゃっている人が多いですし、自分自身の近い将来にどう生かすかということに興味が移っているように感じますね。
日本人の学生との違いは、だんだん隔たりがなくなってきているような気がします。
チャイナ:貴大学と中国の学術機関で取り組んでいらっしゃるプロジェクトなどがございましたら、ご紹介ください。
野澤:2010年にノーベル化学賞を受賞された鈴木章教授の研究は、本学の触媒化学研究センターというところも深く関っている内容でした。この触媒化学研究センターの研究室が、実は北京大学構内にもあります。ですから、鈴木教授がノーベル賞を受賞されてから、最初の海外での講演は、実は北京大学化学系で行われました。その研究室には常時、研究者が行き来しています。
また、本学の理学部と東北師範大学数学統計学院とは数学統計の分野で協力して盛んに研究を進めています。部局間でダブルディグリー制度も提携されています。ほかにもいろいろな研究分野での共同研究が行われています。