中国と日本の間で釣魚島の領有権をめぐる争いがエスカレートし、武力衝突に発展する可能性も出てきた。釣魚島問題の背後には、米国の影がちらついている。
19世紀末から今日に至るまで、中日間の交流と争いは途絶えたことがないが、中国の日本に対する認識と理解は日本の中国に対する研究と探求に遠く及ばないというアンバランスな状況が浮き彫りになっている。これは中国の日本に対する戦略が大まかで、それほど細かくないことを示す。
釣魚島問題において、中国の日本への対応は、戦略があいまいで受け身、目標が不明確、妥当性に欠ける、よい効果が出せないという状況だ。
まずは、「誰がどこから利益を得ようとしているか」である。多くの中国人は、米国が中日間の争いを引き起こし、そこから利益を得ようとしていると見ている。米国にとって、日本の釣魚島やいわゆる「第一列島線」における中国の発展をけん制する動きを利用することは、なかなかの選択であるに違いない。このような判断の基となったのは、米国が中日間の争いを引き起こすため、釣魚島の施政権を日本に引渡したことだ。しかし、こういった陰謀論の分析は、実は米国の予見力を高めることになると思う。
釣魚島問題において、日本の右翼勢力の代表的人物である石原慎太郎氏は波風を立て、中日関係や中米関係、アジア太平洋地域の安定と発展をかき乱そうとしている。石原氏に関する記録を見ると、彼はポピュリストで、他国の主張をのんだりはしない。そのため、釣魚島の獲得が米国のためだとは簡単に想像できない。逆に、彼は米国のアジア回帰と中国けん制の勢いを利用し、火事場泥棒のように利益を得ようとしている。中米間で衝突が起これば、石原氏はいい気味だと思うに違いない。こうして日本は、いくつかの小島を利用して中米という2つの「大魚」を釣り上げた。
このような状況下で中国が不用意に日本を責め、非難の矛先を石原氏に向けなければ、日本の世論を分裂させ、日本内部と日米の矛盾を激化させて石原氏を単独で攻撃するという目的を果たすことは難しく、かえって多くの日本人と世論を石原氏の側につかせることになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月24日