北海道大学 北京事務所の野澤俊敬所長
本年は日中国交正常化40周年だ。映画『非誠無擾』の大ヒットしたこともあり、中国の北海道人気は不動のものになりつつある。前身である札幌農学校として1876年の発足してからすでに136年の歴史を持つ旧帝国大学のひとつである北海道大学。同大ではじめての海外拠点である北京事務所の野澤俊敬所長に、2010年ノーベル化学賞を受賞した鈴木章博士を出した日本の国立大学の最先端研究機関として、中国とのこれまでの交流の歴史、またこれからの展望などを伺った。
チャイナネット(以下、チャイナ):本年は日中国交正常化40周年の佳節にあたります。まずは中国と貴大学のこれまでの交流について教えてください。現在、中国に来ている北海道大学の学生、教員はどれくらいいらっしゃいますか?
野澤所長(以下、野澤):そうですね。
北海道大学は、今年現時点で世界106機関、中国だけでも22校と全学交流協定を結んでいます。また、25校と部局間交流協定を結んでいて、研究交流や交換留学など活発な交流を展開しています。平成22年度、中国に本学から公式派遣した教員は323人に上っています。国際本部で把握していない各研究者レベルでの交流の人数は、もっと多いと思います。
学生は実は定数を大きく割る人数しか中国に来ていません。今年は文学部2名、経済学部1名の3名です。これはダブルディグリー制度がまだ整備されていないために、留学先での単位が認められず4年で卒業できないなど制度的な問題もありますし、最近の若者の内向き化の傾向も関係しているかもしれません。