筆者は大企業の管理職に中国語を教えたことがある。相手は30代の、同社の社長の息子だった。同社は中国市場を開拓するため、彼を担当者とする予定で、中国語を覚えさせる必要があった。しかしこの若様は2ヶ月がんばっただけで耐えられなくなり、授業に来なくなってしまった。
この若様は極端な例ではない。昨年、日本の大手製紙メーカー・大王製紙の井川意高前会長(47)が、100億円をカジノに注ぎ込んだことが発覚し、日本全国に衝撃が走った。井川前会長は大王製紙の創業者の孫で、東京大学法学部を卒業した。学生時代から金遣いが荒く、銀座の高級クラブで豪遊していた。会長となってからも悪習を改めようとしなかったばかりか、さらにエスカレートし、このような深刻な事態に陥ることとなった。
これらのおぼっちゃまや放蕩息子と異なり、1972年生まれの堀江貴文氏は東京大学在学中に創業し、30歳を出たばかりで一躍有名人となった。しかし堀江氏の成功は、時勢のなりゆきによるものであった。堀江氏は日本のIT産業黎明期という時運をつかんだが、成功により頭に血が上り、「金は万能だ」と口にした。多くの女優と交際し、陰では違法行為に手を染めた。堀江氏は34歳で逮捕され、日本ビジネス界の「短命の天才」となった。