■原発依存度高く
現在、日本には55基の原子炉があり、国内の3分の1の電力を供給している。2011年5月、管直人前首相は「2030年までに、更に14基の原発を増設し、原子力による発電量を50%に引き上げる」エネルギー基本計画を発表している。
日本は、日常的にエネルギーが不足しており、80%を輸入に頼っている。原発に対する日本の依存度は極めて高く、今後20年で大きな変化が起こることは考えにくい。原発の大部分を停止すれば、日本の電力は火力発電に多くを頼ることになり、エネルギー輸入への依存度は著しく増すだろう。アナリストは「2012年第1四半期、日本で31年ぶりに貿易赤字が発生した主な要因は、国際市場のエネルギー価格が上昇し続けたことであり、このままいけば、日本経済の回復は力不足になるだろう。また、震災後、原発が稼動停止してから1カ月足らずで再稼動したのは、電力の供給が追いつかないからである」と指摘する。報道によると、7月下旬から日本では気温が急上昇しているが、人々は節電のために冷房をつけず、代わりに扇風機を使用している。猛暑が続いた7月23―29日の1週間で8000名以上が熱中症で倒れ、16名が死亡した。また、7月、熱中症で病院に搬送された人は1万8000人に上る。
その上、共同通信社によると、日本の「原発ゼロ」実現と言う野田首相の唐突な発言は、閣僚間での意見が一致しておらず、脱原発を主張する市民団体との面会は延期されているという。
■政府の責任重く
原子力発電所の安全性とエネルギー不足というジレンマを抱え、野田首相はいち早く対策を打ち出さなければいけないが、政府や電力会社の失態の尻拭いをさせられるのは、結局は日本国民である。また、広がる放射能汚染の問題によって、損害を被っているのは日本周辺の国だけでなく、遠くの国にも被害は及んでいる。そのため、日本は自国の国民に対し責任を負わなければならないだけでなく、国際的な義務も背負っているのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年8月9日