中国網:今後、日中関係はどのように展開すべきと考えますか?日中がアジア、世界で果たすべき役割についてお考えを教えてください。
内田:これからの日中関係は、更なる互恵関係を築くべきです。現代社会が直面している環境、資源、医療、衛生、人口等の課題は、決して一つの国が単独で解決できる問題ではありません。そして、環境問題ひとつを例にとりましても、一つの国が抱える課題が与える影響は、瞬く間に国境を越え、多くの周辺国へと及びます。そのため、早稲田大学は、先ほども述べたように、中国の教育機関と共同研究、共同人材育成を推進しています。早稲田大学は、次の中期計画「Waseda Vision 150」においても明示したように、国際社会を舞台として「グローバルリーダーとして歓び持って汗を流す卒業生」を輩出することを目標としています。そのためには、より一層の中国との交流により、共通の価値観を創出し、経済問題、人権問題、環境問題などの複雑化する国際社会の課題を解決に導く能力を備えた人材を、協同で育成する必要性が高まっていると考えているからです。
多極化する国際情勢において、アジアの地位は近年急速に高まっています。成長著しいアジアではありますが、不安定な要素も数多くあります。そのため、世界を牽引するアジアにおいて、アジアを代表する日本と中国が果たすべき役割は大きいと思います。日本と中国の親密な交流がアジアの成長に不可欠です。今後とも、早稲田大学としては、次世代を担う日中の若者たちのために、少しでも多くの貢献ができるように尽くしてゆく所存であります。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年8月13日