アメリカが新たな外交戦略として、再びアジア太平洋地域を重視する「アジア太平洋回帰」を掲げてからと言うもの、日本の動きは尋常ではないほど活発になっている。ロシア、韓国、中国との島嶼をめぐる争いが絶えない中、積極的な軍拡や東南アジアとの関係強化を進めている。アジア太平洋地域の支配権を我が物にしたい日本の野心が見え隠れしている。
安倍晋三内閣発足から1カ月半あまり、軍備拡張の動きが続いている。1月29日、日本政府は臨時閣議で、2013年度政府予算案を決定した。防衛予算は前年度より400億円多い4兆7538億円(0.8%増)に上った。2002年以降、日本の防衛予算は10年連続で減少していたが、今年度は11年ぶりの増加となった。
また、安倍政権が東南アジアを重視しているのは明らかで、東南アジア諸国連合(ASEAN)及び東南アジア各国との関係強化に意欲を見せている。中でもとりわけフィリピン、ベトナムなどとのASEAN諸国との関係強化に活発な動きを見せており、2006年に初めて首相に就任した際に打ち出した「自由と繁栄の弧」構想を基盤とした安全保障戦略を推進する狙いがあるのではないかと考えられる。