日本政府は18日、森喜朗元首相が安倍晋三首相の特使として20日からロシアを訪問すると発表した。ロシア滞在中、プーチン大統領と会談し、首相の親書を手渡す。日本の共同通信は、今回の訪問は、安倍首相の年内訪ロに向けた環境整備が狙いで、領土問題などをめぐって意見交換すると伝えた。
同日、島根県が議員18人が今年の「竹島の日」の記念式典に出席すると発表した。自民党の細田博之幹事長代行や小泉進次郎青年局長のほか、日本政府は島尻安伊子内閣府政務官の派遣を検討している。「竹島の日」に政府主催の式典を開くとしていた安倍首相の衆院選公約に対し、日本政府の態度は慎重で、菅義偉内閣官房長官は18日の記者会見で、「政権が発足して間もないので、今回はなかなか難しい」と述べた。
森氏のロシア訪問で、メドベージェフ前大統領が2度北方領土を視察して以来続く日ロの領土問題をめぐる硬直化の打開に期待がかかるが、それほど楽観的ではない。森元首相は在任中からプーチン大統領と親交が深い。安倍首相は森氏を派遣することで、ロシアに好意を示し、自らの訪ロに向けた環境整備をしたいと考えている。日本のメディアによれば、プーチン大統領は昨年3月に再選前、「朝日新聞」など日本メディアに、「引き分け」という領土問題の解決策を提示した。森氏はプーチン大統領の言う「引き分け」の「真意」を探る。中国現代国際関係研究院ロシア研究所の王酈久研究員は、「ロシアの島嶼問題における立場は一貫しており、日本の4島返還という要求の満足はありえない。ロシアは争議の棚上げ、両国の経済・貿易関係の発展、将来的な問題解決に向けた環境づくりを望んでいるが、双方の主張には大きな開きがあり、意見の一致は難しい」と指摘する。