安倍首相の訪米は、日米同盟をさらに強化し、中国との係争において米国から支持され、平和憲法を破って集団的自衛権を解禁するための支持を求めることが目的だと見られている。ところが、中国を刺激しないようにするため、オバマ大統領による集団的自衛権の解禁支持の姿勢表明は控えたいという米国政府の立場を日本は把握している。これに対するお返しとして、安倍首相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の参加に関する姿勢表明を控える方針を明らかにした。
共同通信によると、日本政府はこのほど、日米首脳会談において、オバマ大統領が日本の憲法改正及び集団的自衛権の解禁を支持する姿勢を示すかどうかについて米国側の意思を伺った。日本側は、オバマ大統領から支持されれば日米関係はさらに深まると見ている。
ところが、オバマ大統領が日本の望み通りにした場合、中国側は日米が手を組んで圧力をかけると捉える可能性が高いと米国側は懸念する。中国側の姿勢がこれによって強硬になれば、中日関係の緊張状態は高まり、地域の不安定につながり、日米の共通利益にマイナスになると米国は考える。また、首脳会談において中国側に冷静を呼びかける日本側の提案についても、中米関係への影響を懸念し、米国務省は消極的な姿勢を示している。
米国も第二次世界大戦後の国際秩序を形成した国であり、自ら作った日本の平和憲法を覆すことはまずない。また、日本もTPPに参加すれば自国の利益を害することになり、米国の思い通りにするとは考えられない。おそらく、これは日米の構造上の矛盾と言うべきだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年2月16日