安倍晋三の苦しい踊り

安倍晋三の苦しい踊り。

タグ: 安倍 米国 

発信時間: 2013-02-05 16:46:57 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の新しい首相となった安倍晋三氏は最近、中日関係、日米関係、国内政策について一連の立場を表明したが、全体として方向がはっきりせず、迷って決断できず、情報が混乱しているとの印象を人々に与える。なぜこのような事になるのか。安倍氏の直面する情勢と試練が確かに複雑かつ厳しいもので、近代以降未曾有のものとさえ言えることが大きいと筆者は考える。(文:偉達・国際文化戦略研究と諮問の専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 歴史の変遷の過程から見ると、日本は現在、周辺の群雄の台頭という状況に直面している。1990年代まで、日本は第2次大戦で敗戦を喫したとはいえ、依然アジアを相当リードする地位にあった。当時の日本は東側の米国とは勝負にならないし、北側のソ連とも拮抗が困難だったが、西側と南側の伝統的アジア諸国と地域に対しては依然余裕綽々だった。

 だが今や事態は変った。東アジアでは中国と韓国がすでに台頭し、台湾地区と朝鮮もすでに弱者ではないし、東南アジア諸国も積極的に発展を図っている。日本は今後何を捨て何を取るか、どのように自らを位置づけるか、どのような発展戦略を取るか、いずれも策を練り、決定することが急がれている。

 昔からの政客が新たな試練に遭遇した。安倍氏は政治の舞台において、関心の全く異なるいくつかの観客層に向き合わなければならず、しかも自らの公演がその全てから拍手喝采を浴びることを望んでいる。これは口で言うほどたやすくはない。

 米国に対しては日本は当然愛憎入り混じっている。「愛」は米国が今なお日本を西太平洋の安全と利益を守るうえで要のパートナーと見なしているうえ、中国の台頭への日本の対応を支持する可能性があるからだ。「憎」は米国が第2次大戦以来、今なお「孫悟空の頭の輪」のように日本を締め付けており、日本の政治、経済、安全保障政策の選択と方向のほぼ全てを支配しているからだ。安倍氏はどう行動すれば「サムおじさん」を喜ばせられるのだろうか。これは回答が難しい。「サムおじさん」自身もここ数年、大変途方に暮れているからだ。1つはっきりしていると言えそうなのは、「サムおじさん」は日本の肩を持って中国を制約する必要があると同時に、日本を完全に独り立ちさせるわけにもいかないということだ。このため日本の頭の「輪」を、すぐには外すわけにいかないのだ。

 日本の民衆にとって現在の問題は経済的低迷であり、自信を失っていることだ。そこで日本の政治指導者は民衆のために新たな刺激を探し、経済のために新たな成長点を見出さなければならない。こうした時期に外来の脅威を煽り立ててみることは、民心を結束する助けにはなるかもしれないが、度を過ぎて煽り立てるわけにはいかない。さもなくばこのグローバル化の時代にあって、逆に自縄自縛に陥ることになるからだ。

 中国の台頭、および東中国海の大陸棚と釣魚島(日本名・尖閣諸島)の領有権をめぐる中国との紛争に対して、日本は「心はやれど力及ばず」の感を強めている。中国市場を捨てることは絶対にできないが、中国の強大化に対しては心理的適応も地政学的戦略の調整も難しい。日本が徹底的に昔の帝国の夢を捨て去り、歴史を反省し、根本的に改めない限り、その政客の最大の望みは中国自身が多くのミスを犯し、足並みを乱すことである。なぜなら19世紀半ば以降の歴史は、中国はひとたびミスを犯せば、日本につけいる隙を与えるということを繰り返し証明しているからだ。

 米国が手を放し、中国がミスを犯し、国民の心を立て直す。これが安倍氏が苦心して待ち望んでいることだろう。だがこうした「良い事」が、一方的に願えばやって来るなどということはない。そこで彼はどうしたらよいのか分からぬまま踊り続けるほかない。今日は東に向かって笑顔を振りまき、明日は西に向かって数歩歩み寄り、「腹痛」を覚えるまで注意深く慎重に踊り続けるが、最終的にはやはり誰からも喝采を得られないのだ。(編集NA)

 「人民網日本語版」2013年2月5日

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