もう一つの問題点は、民主主義に変わったといっても、自分たちが変えたのではなかった。民主主義とは無縁の戦争に敗北したお陰で民主主義になったという事実は、ありがたいけれども、根なし草に近かった。かくして、「公に還す」の核心は、民主主義を育てていくという意味でなければなるまい。
わが国の政党はいわば議員政党である。民主主義を育てるためには議員政党感覚では間に合わない。議員諸君が議員たるために「常在戦場」意識で活動するのでなく、民主主義を育てるために「常在戦場」意識を確立せねばならない。政党の運動を大きくするという目標が必要である。
幸い、民主党綱領では「憲法の基本精神を具現化する」として、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」を掲げている。これは当たり前のことだが、今のわが国で最も大切だと思う次第である。(他のテーマは別の機会に。)
奥井禮喜氏のプロフィール
有限会社ライフビジョン代表取締役
経営労働評論家
日本労働ペンクラブ会員
OnLineJournalライフビジョン発行人
週刊RO通信発行人
ライフビジョン学会顧問 ユニオンアカデミー事務局
1976年 三菱電機労組中執時代に日本初の人生設計セミナー開催。
1982年 独立し、人と組織の元気を開発するライフビジョン理論で、個人の老後問題から余暇、自由時間、政治、社会を論ずる。
1985年 月刊ライフビジョン(現在のOnLineJournalライフビジョン)創刊。
1993年 『連帯する自我』をキーワードにライフビジョン学会を組織。
2002年 大衆運動の理論的拠点としてのユニオンアカデミー旗上げ。
講演、執筆、コンサルテーション、インターネットを使った「メール通信教育」などでオピニオンを展開し、現在に至る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月11日