日本の東京海洋大学の研究チームは23日、福島第1原発の港湾内で放射性セシウムの海水濃度が下がりにくい件に関して、2011年6月以降、放射性汚染水が大量に海に流れ込んだことによる可能性があると発表した。「新華ネット」が伝えた。
2011年4月、作業員が空間を空けて高放射性の水を処理するために福島第1原発の低放射性汚水を意図的に海に放出した。東京電力は当時、1週間で放出した汚染水に含まれる放射性物質の総量を約1500億ベクレルとしていた。東電は、2011年6月以降は新たに放射性汚水の海への放出はなかったといっている。
しかし、東京海洋大学の神田穰太教授が率いる研究チームは、福島第1原発の港湾内の放射性セシウム137の濃度が2011年6月から2012年3月にかけて下がっていたが、下げ幅が2012年4月以降、緩やかになっていると指摘した。
東京電力が発表した2011年4月のデータによれば、港湾内の44%の海水が港湾外と毎日入れ替わっている。2011年6月1日から2012年9月30日までの期間の放射性セシウムの濃度から推算すると神田教授は2011年6月以降、合計約17兆1000億ベクレルの放射性セシウムが新たに港湾に流れ込んだ恐れがあると主張する。
神田教授は「現在も地下水や配管を通じて海へ放出されている可能性がある。すぐに迅速な調査が必要だ。」と指摘する。
これに対し東京電力は2011年6月以降大規模な汚水流出はなく、港湾内の放射性物質の濃度が下がらないのは放射性物質が拡散しないよう措置を施しているからだと反論している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年3月25日