香港誌・亜洲周刊(3月24日号)が「独仏和解、中日関係への啓発」と題した記事を掲載した。以下はその一部。
欧州統合の強力な牽引力であるドイツとフランス。両国の友好は世界でも他には見当たらないだろう。ただ、初めからベストパートナーだったわけではない。数百年間、敵対してきたライバルだった。百年の宿敵が強い同盟を結んだ過程は、釣魚島(日本名・尖閣諸島)紛争を巡り一発触発の状態にある中日関係に啓発を与え、和解の糸口を見出せるかもしれない。
戦争責任といえば、ドイツ人は反省し、自らの過ちを責めるが、日本人は過ちを認めないというのが多数の結論だ。1970年、ドイツのブラント首相はユダヤ人犠牲者慰霊碑前で跪いた姿は世界中に深い印象を与え、ドイツの誠実な謝罪の記憶の核心となっている。ドイツの懺悔は道徳的に優れているわけではなく、大半は歴史的条件と政治的現実の共同の産物に過ぎない。
英蘭ハーフの記者で作家のイアン ブルマ氏は日本で教育を受け、長年アジアに駐在した経験を持つ。彼の著書「戦争の記憶-日本人とドイツ人」の重要な論点は、罪と恥はそう簡単に区別できない。まったく悔い改めないドイツ人も多くいれば、国の罪を暴露し、罪滅ぼししようとする日本人も多くいる。日本人の控え目な悔い改めと罪悪感は体面がそうさせるのではない。東京裁判、マッカーサーと裕仁天皇の取引など米国が引き継いだ後の政治運営に遡る必要がある。広島と長崎の原爆は日本に被害者の顔にさせる。