今回の交渉は非常にハイレベルで、知的財産権の保護などに関連し、中国などの新興経済国に対して非常に大きな衝撃を与える。実際、中国と他のBRICs(ブリックス)各国との協力も新興経済国の団結を体現している。
劉氏によれば、英国などが賛成しても、フランス、イタリアなどの自動車生産国の意見は異なるため、日欧のEPA締結は楽観的ではないという。また、日本が欧州との交渉に急ぐのは米国との競争が存在し、米国が世界の貿易ルールを単独で主導するのを牽制するためでもある。米主導の環太平洋経済連携協定(TPP)や欧米のFTA交渉はすでに日本にプレッシャーをかけているため、日本は日欧の交渉を通じて米国の主導性を牽制する必要がある。
日本は欧州との交渉で経済協定だけでなく、中国牽制を念頭に置いた政治協定も締結したい考えだ。日本からすれば、欧州債務危機で中国は積極的な支援によって欧州に接近した。一旦欧州債務危機が緩和され、経済が回復すれば、中国が真っ先に利益を得て、軍事協力など新たな協力の道が開かれる可能性がある。そのため安倍首相は欧州とEPAのほか、安全保障を含む政治協定を締結する方法で中国が欧州での影響力を拡大し、利益を得るのを牽制したいと考えている。「EUは中国の重要な輸出市場の一つ。中日のEU市場での競争がおそらく新時代の中日のグローバル競争の新たな特徴となる」と劉氏は指摘。一方、欧州方面が重視するのは日本の非関税障壁と国内のサービス市場の開放で、この方面で所期の目標を達することができなければ、ドイツ・フランス・イタリアなどEU主要国が日欧のEPA締結に同意するのは難しいだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年4月2日