米誌ナショナル・インタレストは最新号で、スタンフォード大学アジア太平洋研究センターで副所長を務めるダニエル・スナイダー氏の「日本の困難な挑戦」という文を掲載した。スナイダー氏の観点は鋭く、日本を容赦なく批判した。
米国は日本がアジア太平洋で「頼れる安全保障パートナー」になることを望んでいるが、結局は悪夢を見るかもしれない。保守的な日本はそのナショナリズムによってアジアで孤立する。「米国に協力できるのは過去と未来をごちゃ混ぜにした日本ではなく、復興した日本だ」と強調する。
中国社会科学院日本研究所政治室の呉懐中主任は取材に、「スナイダー氏の文は日本の政治の方向性をはっきり認識している」としつつ、「そうした認識はまだ米政界の主流ではない。米政府は日本に対する備えよりも、中国の台頭に対して懸念している」と指摘する。
米カーター政権上級顧問、ジョージワシントン大学国際関係学教授のアミタイ・エツィオーニ氏は、「日本は『アジアのドイツ』の方向ではなく、その反対に向かっている」とし、「そうした状況で、日本がアジアで重要な役割を発揮するよう米国が促すのは『愚かな政策』といえる」と指摘した。
エツィオーニ氏はまた、「日本を米国の中国けん制の中心に置くのは魅力的な考えだ。予算削減を図る米国が台頭する中国を牽制するにはアジアで重要な同盟国である日本を一層信頼をする必要があるからだ」とし、「実際、米国の後押しがなくても、日本はいま急先鋒の役目を担っている。中国から『脅威』を感じて日本は第二次世界大戦後に羽織った平和の羽を脱ごうとしている」との見方を示す。