安倍首相が東南アジアで「価値観外交」を唱えてすぐに、一部の東南アジアの学者はそれが「福田ドクトリン」に背くものだと認識した。タイのチュラーロンコーン大学アジア研究所のセガ・ティパコン研究員は、米国と日本は東南アジアで自身の利益に合った政治と経済を進めるための規則を制定したいと考えており、「価値観外交」は政治の規則の一部だが、この地域の人たちは外部勢力の介入に慎重だとの見方を示した。また、同研究員は「環球時報」に対し、次のように話している。東南アジアは日本からの投資も中国からの投資も必要で、中国と日本の間でバランスを取ることが最も重要である。中日間の経済分野の競争は東南アジア諸国に利益をもたらす可能性があるが、東南アジア諸国は中日間の政治分野の競争に巻き込まれたくないと思っている。「価値観外交」は東南アジア諸国の利益に合致しないため、歓迎されない。中国は東南アジアで日本より多くの「文化資本」を持っている。タイに関して言うと、祖先の多くが中国から来ているため、共感を抱きやすいが、東南アジアと日本の関係はビジネス分野に限定されがちで、それ以上深めることはできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年6月20日