○大半はホームレス、一部は家に帰らない学生や観光客
「マック難民」を構成しているのは、老若男女を問わない。彼らが「マック難民」になった経緯は、各人各様だ。長期にわたりファーストフード店に寝泊まりしている人々の多くは、家賃を払えない低所得者やホームレスだが、北京や上海などの大都市では、昼間は高級オフィスビルの建設現場で日雇い労働者として働き、夜はマクドナルドやケンタッキーなどの24時間営業ファーストフード店で泊る農村からの出稼ぎ労働者も少なくない。また、ホームレスもファーストフード店の「常宿」組で、この中には、小さい子供を連れた未婚の母親、帰る家も身寄りも無いお年寄り、保護者に棄てられたストリート・チルドレンも含まれる。
香港では数年前、新しいタイプの「マック難民」が誕生した。意外なことに、彼らは自宅のあるサラリーマンだ。これらのサラリーマンは、自分のことを「遊牧民」と自嘲し、通勤が不便なことや労働時間が不規則であることから、仕事するのに便利なように身の回りの私物を会社に置き、着替えと洗面用品だけを持参して公衆浴場で身体や髪を洗い、仕事が終わった夜更けにマクドナルドに戻り朝を迎える。自宅に戻るのは休日だけだ。このほか、自宅が非常に狭い、同居家族との仲が良くないなどの理由で、家に帰らず長期間マックで寝泊まりしている人もいる。