時間だけが問題ではない。公文書の研究者は、公文書に記録されている日本軍の放火、殺人、強奪、婦女暴行、児童虐殺の暴行と毎日向き合い、同胞の当時の悲惨な境遇を直接目の当たりにすることで、強いストレスを感じている。
吉林省檔案館の研究者の陶敏氏は2013年より、日本軍の731部隊への人員「特別移送」に関する公文書の研究を始めている。これらの公文書には、関東憲兵隊などの軍・警察機関が、法廷の判決を経ずして捕まえた抗日活動家、およびその他の人員を、731細菌部隊の生体実験に「特別移送」したことが記録されている。
陶氏は、「この1年間に渡り、衝撃を受け、怒りを覚え、塞ぎがちになっている。侵略軍の731部隊が侵略中に行なった細菌戦と生体実験の獣じみた蛮行は、極限の程度にまで達した。今や仕事をする時は、平常心を取り戻すため休憩が必要になっている」と語った。
しかしながら吉林省檔案館は、これらの公文書の整理を休みなく続けており、関東憲兵隊が731部隊に人員を「特別移送」した内容を記録した公文書、731部隊の新京・農安における「防疫活動」を反映する公文書、日偽軍が労働者を徴用した資料を発表している。
吉林省檔案館は2014年4月、新たに整理された侵略軍の鉄の証拠を発表した。これには日本軍の南京大虐殺、慰安婦の強制連行、731部隊への人員の「特別移送」、労働者の酷使、日本軍の暴行、中国東北地方への植民地侵略、東北抗日聯軍の鎮圧、取り調べ中の英米人捕虜の虐待などの内容が含まれる。
吉林省檔案館の日本侵略軍の公文書を整理・研究するプロジェクトの担当者である庄厳氏は、「これらの公文書は、侵略軍の罪に当時の証拠を提供し、国内外で早くから公認されている罪に新たな証左を提供した」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年4月29日