安倍晋三首相は先ほど北大西洋理事会の演説の中で、「中国脅威論」を極力喧伝し、悪意を持ってこれを言いふらし、国際世論から強く批判された。ハーバード大学教授のジョセフ・ナイ氏は、安倍首相が「ナショナリズム」によって軍事政策を包装していると批判した。週刊ニュース誌・タイムの最新号は、過激な愛国者の安倍首相は、日本人を含む多くのアジア人を不安にさせていると指摘した。
人民日報の取材に応じた外国の高官と専門家は、「安倍首相の言行は中国を攻撃しイメージを損ねるほか、地域の緊張ムードを作り、対立と不一致を煽っている。その真の意図は、日本を拘束を受けない軍事大国にすることだ。日本の軍国主義と右翼勢力の台頭は、人々を懸念させている」と語った。
韓国・檀国大学校の政治外交学部教授の金珍鎬氏は人民日報に対して、「安倍首相が中国脅威論を喧伝しているが、これは古い主張にすぎない。1980−90年代に議論が紛々と起こったが、その後の事実は、この脅威がもとより存在しないことを証明した。中国の台頭は、周辺諸国と世界に発展と繁栄をもたらした。日本が近代犯した多くの戦争の罪は、世界の人々に知られている。これは脅威ではなく、実質的な侵略であり、アジア諸国はこの身にしみる痛みを知っている。今の日本政府は歴史を否定・歪曲し、靖国神社を参拝し、A級戦犯に頭を下げている。誰がアジアの脅威であるかは、言わずと知れたことだ」と指摘した。
欧州議会議員、ルーマニア元副首相兼外務大臣のアドリアン・セヴェリン氏は人民日報に対して、「安倍首相はナショナリズムの喧伝に躍起になっている。このような国がいかに自国が平和を求める国だと海外に説明しても、実際には平和を求めているわけではなく、多国と調和的に共存するチャンスを得られない。ナショナリズムは強い侵略性を持ち、隣国との対立を引き起こし、最終的には戦争を勃発させるからだ。これは誰も望まないことだ」と語った。
中国脅威論の喧伝、改憲の口実に
金氏は、「日本がこの時期に中国脅威論を喧伝するのは、平和憲法を改正し、戦争をする権利を持つ『正常な国』になるためだ。この目的を実現するため、まず日米同盟を強化し、米国のアジア太平洋回帰の手先になる必要がある。中国の『脅威』の喧伝は、その最良の口実だ。また外部に「脅威」をこしらえることで、日本政府は民意を操作しやすくなり、国内の様々な圧力の矛先を避けることができる。先に釣魚島の係争を引き起こし、これを『国有化』したのは日本政府であり、東中国海の緊張情勢のエスカレートは日本の利益に合っている」と分析した。
日中友好協会理事長の白石紳一郎氏は人民日報に対して、「安倍首相のNATOでの演説は、中国脅威論を過度に誇張したが、これは憲法解釈見直しにより集団的自衛権を解禁するという行動を合理化するためであり、この狙いはすでに明らかにされている。日本政府は現実を正視し、歴史を深く反省しなければならない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年5月9日