日本の戦闘機「F-15」は中国の戦闘機に10mまで近付いていた――中国国防部報道官は29日、驚くべき事実を明らかにした。日本は最近、中国の戦闘機が日本の戦闘機に「異常接近」したとの主張を重ねている。最も接近したケースでは30mに迫ったとし、「極めて危険」と中国の行為を非難している。だが中国は、危険な状況を作っているのが実際には日本だという「確かな証拠を握っている」としてこれに応酬した。「環球時報」が伝えた。
読売新聞は29日、「中国反論、自衛隊機は『昨年10mまで接近』」とのタイトルで、国防省の耿雁生報道官の発言を報道した。これによると、耿雁生報道官は「10mまで接近」の事実を明らかにした上で、「日本が危険な接近をし、我々の正常な飛行活動を妨害している」と日本側の主張に反論。昨年11月23日に日本の自衛隊機と中国の軍機が10mまで接近したと耿報道官は述べたが、中国はこれまでこの事実を発表してこなかった。
日本はここ数日、同盟国とりわけ米国の支持の取り付けに走り回っている。時事通信社の29日の報道によると、米国防省当局者は28日、中国軍機が東中国海上空で自衛隊機に異常接近した問題について日本側を支持し、「自衛隊機が飛んでいたのは国際空域であり、日本にはそこを飛ぶ権利がある。米国は航行の自由を支持する」と述べた。同当局者はさらに、プロペラ機の自衛隊機を自転車、ジェット戦闘機の中国軍機を高級車フェラーリに例え、「自転車とフェラーリが近づくのは危険だ。フェラーリは自転車を避けるべきだ」と語ったという。
中国社会科学院日本研究所の研究者である盧昊氏は29日、「環球時報」の記者に対し、「日本が騒ぎを拡大し、状況をかき回し続けているのは、こうした細かい事実から、『中国の一貫した軍事拡張行為』というわざわざ設定した議題へと海外の注目を引き寄せるため」と指摘している。対中世論戦略の効果を高め、「挑発しているのは中国側で、現状の変更を求め、脅威をもたらしている」との印象を国際社会で強めるのがそのねらいだ。日本がこうした振る舞いに踏み切れるのは、「中国威脅論」を高めたい米国が、日本への支持を正式に表明するか、少なくとも輿論面の支持を与えると日本が見ているためであり、中国への強硬姿勢を崩さずに日本が国際世論への訴えを続けているのにも同様の原因があると見られる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年5月30日