日本の安倍首相はこのほど、メディアの取材に対し、中国とベトナムの両国がいずれも領土であると主張する水域で一方的にボーリング調査を行って緊張を高めていると中国を非難し、実力や脅威を通じた現状の変更を日本は許さないと語った。安倍首相のこの姿勢は事実を無視するもので、中国外交部の報道官はこれを「唯恐天下不乱(天下が乱れていないことだけを恐れる、混乱を助長する)」ものと断じている。
安倍首相の隠された意図に対する外交部報道官の判断は実に正確なものだ。安倍首相は再任以来、外交上の「積極的平和主義」を一貫して標榜してきた。安倍首相がこの一年で何をし、何を言ったかを振り返れば、いわゆる「積極的平和主義」が「積極的」であることは間違いないが、「平和」ではないことがはっきりと見えてくる。
安倍首相は就任後すぐ、日本の平和憲法の修正を「積極的」に推進し、「専守防衛」の枠を越えた集団的自衛権解禁の動きに取り組み始めた。さらに日本の自衛隊を国防軍とし、「武器輸出三原則」を放棄する試みを進め、「侵略の定義は定まっていない」や「靖国神社への参拝は当然である」といった自説を打ち出し、靖国神社を「積極的」に参拝した。釣魚島の問題については「妥協しない」との姿勢を幾度も示し、論争棚上げという中日間の共通認識を認めることを拒否し、釣魚島に対するいわゆる「施政権」の強化を進め、釣魚島問題を拡大し続けてきた。
安倍首相は就任以来、中日関係の推進に対して実質的な意義のある積極的な努力を行って来なかっただけでなく、釣魚島問題という火種に二度三度と油を注ぎ、中日関係に新たな障害をもたらした。安倍首相は、中日関係や東中国海、東北アジアに混乱をもたらすことには確かに「積極的」であったと言える。
東中国海をかき乱した安倍首相の動きはさらに、南中国海にまで及んでいる。就任後まもなく東南アジアを訪れて以降、安倍首相は何度も東南アジアの国を訪問してきた。南中国海の問題は、安倍首相が東南アジアを訪れる際の基本スペックとなり、中国に泥を塗ったり、日本と東南アジアの国との関係を近付けたりするための口実となっている。安倍首相は東南アジアの国の指導者と接触した際、中国の「実力によって南中国海の現状を変えようとする動き」に懸念を示し、ASEANが「南中国海の問題について一体となる」ことを巧みに奨励してきた。