自民党は日本の政界で一人勝ちしており、衆参両院の722議席のうち408議席を占めている。特に衆議院では、480議席中294席を自民党が占めている。これに連立政権を組む公明党を加えれば、衆議院の3分の2の議席を占めることになり、圧倒的な強さが示されている。これは安倍首相が独断専行を続ける政治資本になっている。米国の華字紙『僑報』が伝えた。

より深刻な問題は、野党の役割の変化にある。社会党は左翼政党として、自民党に対してけん制の力を発揮している。「亜流の自民党」である民主党の主張は、自民党と変わらなくなっている。一部の野党は自民党より右傾化が深刻になっている。最も代表的なのは、橋下徹氏を党首とする日本維新の会だ。集団的自衛権の解禁という問題を巡り、野党は自民党のやり方に反対しないばかりか、安倍首相と内外で呼応し、日本の政界の「制御不能」な流れを強めている。

自民党の一人勝ちの他に、安倍首相の所属する町村派も自民党内で一人勝ちしている。額賀福志郎氏と岸田文雄氏は自民党内で大派閥を形成していたが、今や勢力を失っている。特に岸田氏は安倍首相の後継者と目されており、反乱を起こすことができない。額賀派と岸田派は安倍首相の行動をけん制しようとしていたが、高村正彦氏が「遅くとも20日までは解禁」と口にしたことで、あっけなく抵抗を諦めた。

安倍首相の経済政策は、自身の政治的な基盤を固めている。安倍首相は就任以降、消費増税、法人減税といった税政を推進している。これは社会の富の集中を激化させ、政治権力の集中を促す。政治権力の集中は、一党独裁の維持にとって有利だ。

日本国内の政治が「制御不能」になり、安倍首相の集団的自衛権の強行解禁に基礎的な条件を提供したならば、日本の世界での「制御不能」は、安倍首相に乗じる隙をもたらした。日本に圧力をかけ、その軍国主義と復讐主義を防止することは、米国の国家戦略の基本的な部分であった。しかし日本の集団的自衛権の解禁に対して、米国は放任の態度を示した。

日本は国内外の政治で「制御不能」な状態に陥っている。「制御不能」になった日本は、世界各国の潜在的かつ深刻な脅威だ。安倍政権は歴史問題を深く反省することを避け、ミサイルを搭載した戦闘機を中国の軍機に接近させ、さらには核燃料の保有量を隠蔽した。これは非常に危険な動向だ。国際社会は日本の今後の動きに注目し、関連諸国は日本の動きに対する圧力を強化しなければならない。

｢中国網日本語版(チャイナネット)｣　2014年6月20日