米国の隔月誌「ナショナル・インタレスト」のウェブサイトにこのほど、「中国が恐るべき日本の5つの兵器」という文章が掲載された。これによると、北京が慎重に考慮すべき日本の兵器には、「F-15J」「そうりゅう型潜水艦」「あたご型護衛艦」「いずも型護衛艦」「米軍」だという。
三菱重工が生産するF-15Jは、一部で「形態二型」の近代化改修が進められ、新型レーダーやヘルメット装着式目標指定システム、最先端のAAM-5戦闘ミサイル、AAM-4B中距離空対空ミサイルが配備されている。とりわけAAM-4Bは、AESAレーダーをシーカーとした数少ない空対空ミサイルで、「F-15Jに明らかなアドバンテージを与えている」という。
「イーグル」として知られる米国のF-15が次々とグレードアップされてすでに時代遅れとなっていたF-15Jが勢いを盛り返している。6月11日に東中国海の防空識別圏で中国の電子偵察機「Tu-154」をさえぎった日本の戦闘機はこの改良型の「東洋の鷹」だった。
この新たな「東洋の鷹」はどれほどの脅威を持つのか。軍事評論家の李小健氏と有名テスト飛行士で空軍理論学者でもある徐勇凌氏に話を聞いた。
尖った「牙」や鋭い「爪」を生かせない設計の古さ
「F-15Jが使っているのは旧式のF100-IHI-100エンジンで、推力は106キロニュートンにとどまり、米軍のF-15の129キロニュートンにははるかに届かず、『殲-11』のエンジンAL-31F(122.5キロニュートン)にも及ばない」。李小健氏は、F-15Jは殲-11より軽いことは確かだが、その推力重量比の面での強みはそれほど際立ったものとは言えないと語る。
航空電子分野では、「東洋の鷹」が新たに装着したAPG-63(V)1は、殲-11Bの同タイプのレーダーに匹敵する威力を持つ。しかし徐勇凌氏によると、日本人のF-15Jに対する改良は、細かいバージョンアップであり、中国の「側衛」シリーズでのトップレベルの設計に対する改良と比べれば小さな動きにすぎないという。「基本的枠組みが旧式であるために、F-15Jは最先端のレーダーやミサイルを装備しても、その最大の威力を発揮することはできない」
徐勇凌氏によると、設計の年代が古いために、F-15Jの航空電子システムはすでに時代遅れとなっており、操縦席は機械の計器に囲まれ、ディスプレイはモノクロのものが1台あるだけ。さらにFBW操縦システムも採用されておらず、二重制御安定化システムしか導入されていない。