さらに「東洋の鷹」の警告・電子戦とレーダーの情報はそれぞれ独立に表示され、連結されておらず、デジタル地図と組み合わせることもできない。近代の空中戦でカギとなる戦術空中情報の総合的な表示ができないため、データの融合と判断は完全に飛行士の経験に委ねられる。
徐勇凌氏によると、「殲-11A/B」の総合的な航空電子システムは、完全に作りなおしたもので、「Su-27」の影を脱却している。李小健氏によると、中国の現役の戦闘機のデータ融合度はより高く、飛行士にはさらにグレードの高い情報が提供され、反応もすばやく、空中戦での態勢感知能力もさらに強い。
新たな「中華側衛」(「殲-11D」「殲-15」「殲-16」など)は、AESAレーダーを配備し、「東洋の鷹」に対して大きなアドバンテージを誇っている。
「絶え間なく改良されデータリンクなどの情報技術を活用した改良型の『殲-11』は、空軍の作戦体系にすでに組み入れられ、その戦闘能力は飛躍的に向上している。それも1から2というレベルではなく、1から10というレベルの向上だ」。徐勇凌氏は、中国の国産戦闘機に自信を持っていいと語る。
AESAレーダーのミサイル搭載は「科学の無駄遣い」?
最先端で高価、さらに電力も食うAESAレーダーを、戦闘機に配備するのではなく、空対空ミサイルに付けてシーカーとして使い捨てにする。日本人のこのやり方は世界でも例がない。これについて軍事ファンの間ではさかんに議論がなされている。三菱重工のこの挙は、科学の使い方を間違えているのではないか。