米軍事専門紙「ディフェンス・ニュース」のウェブサイトには18日、「日本、あたご型護衛艦とPAC-3のアップグレードに重点」と題した記事が掲載された。これによると、日本の弾道ミサイル防衛計画は、朝鮮の限定的脅威への対抗を念頭に、イージスシステム搭載の護衛艦とパトリオットミサイルのアップグレードをめぐって進められている。
日本の動きは「米国の不安を除く」ため?
日本にとって目下の重要事項は、敵のミサイル発射場を破壊するための限定的な先制攻撃の能力を発展させること。F-35が艦隊に加われば、その能力が備わることになる。
だが将来的には、防衛省はさらに、実践で有効性の確かめられたシステム、例えば終末高高度防衛ミサイル(THAADミサイル)によって第三の防御層を加え、イージス艦とパトリオット防空システム「PAC-3」との中間層を埋めることを検討してもよい。日本の防衛関係者の間では、宇宙ベースの早期警戒能力に対する関心も高い。
イージス艦改良は、限定的な集団的自衛権の行使容認という日本政府の最近の動きの副産物と言える。
昨年12月に制定された5年間の「中期防衛力整備計画」によると、海上自衛隊はまもなく、最新式のあたご型護衛艦2隻(DDG-177、DDG-178)を購入する。護衛艦は2015年と2016年に引き渡され、2020年から2021年に運用開始となる。
最新式駆逐艦2隻の技術改良はすでに始まっている。例えばロッキード・マーチン社は最近、あたご型護衛艦2隻の能力を高めるためのイージス近代化ベースラインのコンピュータープログラムと設備の開発とテストのための総額5350万ドルの契約を結んだことを発表している。
海上自衛隊名義のイージス駆逐艦はこの新たな2隻の加入で8隻に増えるが、はたかぜ型護衛艦2隻の退役も決まっている。このため日本政策研究大学院大学の安全保障・国際問題プログラムのディレクターを務める道下徳成氏によると、重点となっているのは「数ではなく質」だという。
あたご型護衛艦のカギとなるのは、さらに大型で能力の高い艦対空ミサイル「SM-3 Block IIA」の配備である。このミサイルは、レイセオン社と三菱重工が共同で開発しているもので、射程距離は2500km、迎撃弾頭の口径は従来よりも大きく、機動性も高く、センサーもグレードアップされている。