「SM-3 Block IIAは朝鮮の脅威に対応することを可能とする。だがその重要性は、中国からのミサイルに対応する一定の能力が備わることにもある。古いシステムの近代化のプロセスで取られた自然な一歩と言える」と道下氏は語る。
航空自衛隊は同時に、PAC-3ミサイルシステム6基のうち2基の「ミサイル部分強化型インターセプター」(MSEI)によるグレードアップを進めている。だが重要なのは、F-35戦闘機42機が果たす役割(小編成で展開)と航空自衛隊による空中給油機3機の購入である。これらの配備は、朝鮮のミサイル発射場に対する一定の先制攻撃能力を日本に与えることとなる。
「PAC-3は万が一の状況で使われるバックアップシステムと考えられている。航空自衛隊の人的・物的資源は予算によって制限されており、ミサイルの数を増やすのではなく技術を改良するというのはいいアイデアだ。だが航空自衛隊がより重視しているのはF-35戦闘機だ」と道下氏は指摘する。
F-35戦闘機の配備は、日本が同盟国として信頼に足ることを示すという政治的な役割も負っている。日本は積極的で高度な自衛の能力を持っており、米国の救援を待っているだけではないというアピールである。
「限定的だが強大な先制攻撃の能力がなければ、日本は米国に対して我々のために全力を尽くしてくれと頼むしかなくなる。そうなれば米国の直面する政治的困難はさらに大きくなる」と道下氏は語る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年12月1日