言い換えるならば、今後自民党内で宏池会が勢力を取り戻し、党内の政治カラーが多様性を取り戻せば、岡田氏の「保守中庸」は非常に苦しい局面を迎える。
次に、民主党内に分裂の火種が残されている。民主党の1998年の創設後、千差万別の政治理念を持つ自民党・社会党出身の議員らは、主に「政権交代」の目標により団結を維持してきた。しかし2009年に政権交代を実現すると、民主党内の食い違いが一気に露呈した。野田政権では、消費増税問題を巡り小沢一郎氏が多くの議員を率いて脱党し、民主党の勢力を弱めた。民主党は2012年の総選挙で参拝し、政権を手放した。
野党に成り下がっても、民主党の「内部闘争」の文化が残されている。細野氏の支持者は集団的自衛権などの安保政策・理念で、大きく妥協することに消極的だ。日本メディアは、安保政策の食い違いが、民主党のアキレス腱であり続けると指摘した。政界再編を巡り、細野氏らは維新の党の江田憲司代表とつながりを持っており、民主党の内部闘争の火種となっている。
それから、二大政党制が終了する可能性がある。
政治アナリストは、民主党が直面している最大の危機は、「二大政党制」という実験の使命がすでに終了していることだと指摘した。
民主党の勢力の源となっているのは、戦後長期に渡る自民党一強による「55年体制」、および自民党の腐敗に対する有権者の倦怠感だ。有権者は英国のような二大政党制に期待している。民主党による2009年の政権交代は、この民意と政治的雰因気の産物だ。しかし民主党はすぐに有権者に失望された。3年余りの民主党政権は「悪夢」と見なされ、自民党に政権奪取のチャンスを与えた。鳴りを潜めていた自民党は、約3年ぶりに政権を奪取し、55年体制を再現しようとしている。