長い道のり
アベノミクスの「3本の矢」が的を外したのではとする声に対して、安倍首相は先程の訪米中に「私は大学時代、アーチェリー部の一員だった。私の矢は的に必ず当たる」と説明した。しかし女性の雇用促進だけでも、安倍首相は大きな壁に直面している。
日本の職場には男尊女卑の文化が根ざしている。安倍首相は計画を実現するため、長い道を歩まなければならない。
安倍首相は、2020年までに企業と政府の「指導的地位」に占める女性の比率を30%に引き上げると設定した。一部の企業はこれに積極的な反応を示したが、ビジネス界全体は冷淡な反応を示している。厚生労働省が発表した2013年度の雇用均等基本調査によると、課長相当職以上のうち女性が占める比率はわずか6.6%のみだった。安倍首相は女性の政界進出を力強く推進しているが、日本メディアの最近の調査によると、女性議員は公私ともに満足感を得ていない。
日本人女性の労働参加率は、満足できる数値に達していない。これは高学歴の既婚女性が、職場復帰に消極的なためかもしれない。高等教育を受けたエリートの多くは、金のある男性に嫁ぐ。家計に余裕があり、日本企業の多くが男性に支配されていることから、女性の職場復帰の意欲が落ち込んでいる。
ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏は、「高等教育を受けた主婦には、外で働く理由がない。彼女たちの多くが高学歴・高所得者と結婚しており、家計のために働く必要はあまりない」と指摘した。
高学歴の既婚女性が出産後も仕事を続ける比率は、低学歴の既婚女性を上回るが、辞職すれば職場に戻る可能性は低い。
久我氏は、「政府は高学歴女性が職場復帰に消極的な原因への理解を深めるべきだ。原因の一つは、『男性の天下』という企業文化だ」と述べた。
米議会調査局は先ほど発表した報告書の中で、安倍首相のウーマノミクスの成功は多くの難題に直面していると判断した。同報告書によると、女性は家事という思想が日本で根ざしており、男性を中心とする職場文化が女性の社会進出を妨げている。同報告書は、長時間勤務と融通のきかない勤務制度により、女性が仕事と家庭を両立しがたくなっていると指摘した。
日本生命は「女性の活躍推進」に関するオンライン調査を実施した。「女性の活躍は日本の経済発展にとって重要か」という設問に対して、40−59歳の男性の回答者のうち肯定的な意見を持つ人が減少しており、2014年より6ポイント低下した。これは社内で重要な職務を担う人の多くが男性であるためだ。彼らは「女性活躍」が自分たちのライバルになるという観念を持ち、危機感を抱いている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年5月20日