どんなに頭を絞っても、安倍首相がこの数年間で、中日関係のためにした良いことを思い出せない。ところが不快な出来事は、すぐに山ほど思い出すことができる。現在の中国の民間と世論が日本の声を警戒することには、主に次の二つの理由がある。まず日本には侵略戦争という歴史の罪を否定する人が必ずいる。次に安倍首相本人も信義にもとり、態度を二転三転させる政治家だ。このように悪を深く憎む気持ちと強い警戒心を持つため、中国の人々とメディア・世論は一夜にして歴史認識を変えたり、平和維持に転向したりする安倍首相を信じられるはずがない。
中国人のみならず、多くの日本人も信じていない。日本の憲法学者と政界関係者は連日批判の声を上げ続けている。多くの市民が街頭を歩き、安倍内閣が成立を目指す安保関連法案に抗議し、国が再び戦争の道を歩むという強い懸念を示している。
安倍首相の安保関連法案と改憲の動きにより、内閣支持率が再任以来で最低の水準となっており、現在も回復の兆しが見えない。そのため安倍首相は就任以来で初めて中国メディアの独占インタビューに応じることで、柔軟な姿勢と善意を示そうとしたが、実際には低下を続ける支持率を取り戻すためだったと分析されている。しかし何はともあれ、「善意」は罵詈に勝る。ましてや物事の流れは人の意志に勝るのだからなおさらだ。我々は今日の日本の首相の発言を聞き、その行動を見守る十分な自信をつけている。当然ながら、安倍首相が今年の8月15日に発表する、真の歴史的意義を持つ、より深い態度を示す戦後70年談話に期待する誠意と忍耐心を持っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月18日