アナリストはまた、「安倍政権は安保関連法案の強行採決で、国内でかつてないほどの圧力を受け、支持率が低迷している。外相の訪露には、外交によって得点を稼ぎ、政権の基盤を固める狙いがある」と指摘した。しかし日本国内では、今回の訪露に反対し、懸念する声があがっている。専門家は、「ロシアはこのほど日本に強硬な姿勢を強めている。日本が対話を求めるのは、日露関係の主導権の喪失にほかならない」と話した。
ロシアのアナリストも、岸田外相に多くの経済関係者が随行していたことに注意しており、日露の経済・貿易関係の促進も訪露の重要な目的だと判断した。データによると、二国間関係の影響を受け、露日の経済・貿易が低迷している。両国の貿易額は今年上半期、前年同期比で約25%減となった。
◇日露の食い違い
アナリストは、日露はまだ急速に歩み寄る条件を整えていないと分析した。
両国の外相は島嶼の問題について、会談後の記者会見でそれぞれ異なった発言をし、温度差がうかがえた。岸田外相は、ラブロフ外相との会談で、双方が平和条約締結の問題で議論を掘り下げ、日本が両国の領土問題に言及したことを紹介した。岸田外相はまた、ロシアの領土問題における一方的な言行に遺憾の意を表した。しかしラブロフ外相は、双方は会議の中で両国の領土問題について言及しておらず、かつ同問題が双方の議題に含まれなかったと述べた。
日本のアナリストは、日本が米国から受ける制約が、日露関係の最大の不確定要素だと述べた。プーチン大統領が2012年に再任すると、日露関係が好転し、領土問題にも緩和の兆しが見られた。しかし日本はその後、西側諸国の対露制裁に追随し、日露関係が停滞に陥った。日本が米国の制約を受け続ければ、独立した外交を展開できず、日露関係の前途が予測しがたくなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月24日