ユネスコのウェブサイト
国連教育科学文化機関(ユネスコ)のウェブサイトは10月9日、中国が申請していた南京大虐殺を2015年の世界記憶遺産に登録したことを発表した。中国が別に申請していた慰安婦の資料は、残念ながら落選した。
世界記憶遺産に登録されている346点の資料のうち、中国の資料は10点に達している。
日本はこれまで抗議を繰り返し、中国が南京大虐殺と慰安婦の資料を世界記憶遺産に登録申請することを阻止しようとしていた。日本はこれが中日関係を損ねるとし、中国に申請を撤回するよう求めていた。
中国外交部の華春瑩報道官は、10月9日に開かれた定例記者会見において、「南京大虐殺と慰安婦の強制連行は、日本軍国主義が中国侵略戦争中に犯した重大な罪だ。中国は歴史に責任を負う態度で申請を行った。これは日本を含む各国の人々が、侵略戦争の残酷さを認識し、歴史を銘記し平和を惜しみ、共に人類の尊厳を守っていくことを促す」と述べた。
華報道官は、「日本の関連する言行は、歴史を直視したがらない間違った態度を再度表明した。中国は日本に対して、歴史に責任を負う態度に基づき、侵略の歴史を直視し深く反省し、関連問題を適切に処理し、実際の行動によりアジアの隣国と国際社会から信頼を勝ち取るよう促す」と発言した。
ユネスコのウェブサイトによると、中国が提出した南京大虐殺の資料は、▽日本侵略軍が1937−1938年に南京を占領した際に、中国の軍人と一般人を虐殺したことに関する資料▽1945−1947年にかけて日本の戦犯を調査し、裁判にかけた際の資料▽中華人民共和国司法機関が、1952−1956年に提供した文書――の3つに分かれる。日本軍の慰安婦(性奴隷)に関する資料は、慰安婦の状況と痛ましい境遇を記録している。
世界記憶遺産(Memory of the World)は、ユネスコが1992年に開始した資料保護プロジェクトだ。世界の老朽化・損傷・消失が続く資料を、国際協力と最良の技術的手段により保護し、人類の記憶をより多く留めるという目的がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年10月10日