「世界の競争状況を見ると、JDIはLTPS(低温ポリシリコン)製品で強みを持ち、iPhoneのディスプレイの主なサプライヤーになっている。シャープはOxide(酸化物半導体)製品で強みを持つ。両社が統合されれば、日本企業は小型から大型の液晶ディスプレイの強みを握ることになる」
しかしまさにそのために、各国で独占が疑われる可能性がある。アナリストは、「JDIが本当にシャープのディスプレイ事業を買収すれば、社内の事業調整に取り組み、人員削減などの複雑な問題が生じるだろう」と指摘した。
鴻海「一歩下がって二歩進む」
国家の意向があるとはいえ、鴻海がINCJを大幅に上回る買収額を提示すれば、チャンスを手にできるかもしれない。
郭氏はこのほど訪日し、最大の「誠意」を示した。鴻海はINCJを上回る買収額を提示し、さらに買収後もシャープの事業を手放し再編に取り組むことはなく、社長などの経営者の退任を迫ることはないとした。シャープのブランドを留め、人員削減を行わず、全従業員の利益を確保するとしたのだ。
しかしINCJも黙ってはいない。INCJの高官も同日、シャープの本社を訪問した。
日本がJDIを設立し、ソニー、東芝、日立などの小型液晶ディスプレイ事業を統合したのは、既存の基礎を踏まえた上で日本製ディスプレイの競争力を高めるためだ。JDIの業績も、当初の目標に達している。技術の蓄え、生産能力の拡大において、日本のディスプレイ技術が引き継がれ、発揚されている。李氏は、「これはシャープの合併競争における中心的な要素になる」と指摘した。
シャープの現在の態度には、謎が多い。シャープ中国法人は記者に情報を明かしていない。すべては2月4日に開かれる決算発表会で明らかになるかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年2月1日