中国社会科学院日本問題専門家の呂耀東氏は15日、記者のインタビューに応じた際に、「前任の木寺昌人氏よりも、横井氏の方が中国を理解している。中日関係は現在、4つの原則的共通認識を実行に移す重要な時期を迎えている。一人の知中派大使は、余裕を持って多くの問題を処理できる。多くの期待が寄せられるのも無理はない」と話した。
しかし中日関係の改善が難航していることも無視できない。横井氏の就任前、木寺氏は10日に北京を離れていた。朝日新聞によると、木寺氏は退任に当たり9日に開かれた記者会見で、在任中の中日関係について振り返った。木寺氏は、2012年末に就任した当初が、中日関係が最も悪化していた時期だと判断した。木寺氏の任期内に、2013年だけでも中国外交部に10回呼び出され、中国側から抗議を受けた。その間、中国の高官と会談することもできなかった。朝日新聞は、「木寺氏は中国側の小さな変化というチャンスをつかみ、変化を続ける中国との新型関係の構築を積極的に呼びかけた。中国がすでに10年前、20年前とは完全に異なる強い国になったからだ」と報じた。
呂氏は15日、記者に対して「大使は両国政府の意思疎通の重要な仲介者だ。しかし両国関係は一人の知中派大使の就任によって、徹底的に変わることはない。中日関係の今後の動向は、実際には外交で連絡を担当する人物ではなく、政治家にかかっている。中日関係を改善したければ、日本政府は真の誠意を見せ、歴史問題を直視し、『中国脅威論』の世界的な喧伝を停止するべきだ。知中派大使の派遣といった表面的な取り組みだけではなく、中日の4つの原則的共通認識を着実に実行に移すべきだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月16日