日本製家電の衰退
梁氏は、日本家電業界の栄光は過去と化したと述べた上で、日本家電メーカーのコンシューマ電子機器からの撤退について、▽産業発展の大勢によるもの▽日本企業が市場のリズムに追いつけず、方針決定にもたついている▽テレビ・スマホ事業で、日本企業はソフト・ハード・コンテンツ・アプリの一体化と融合を不得手とする▽ソフトとコンテンツを重視せず、スマート化・ネット化へのモデルチェンジで完全に遅れを取っている――という4つの理由を挙げた。
ソニーの境遇は、日本の老舗家電メーカーの縮図だ。製造コストの高騰、資源の輸入といった影響により、老舗家電メーカーの利益が減少している。連氏は、「現在の日本は従来の家電に興味を示していない。これは従来の家電に高い技術が必要ないうえ、成熟した産業は薄利であるからだ。より先進的な事業にモデルチェンジすれば、利益を創出できる」と述べた。
日本の大半の老舗メーカーは、技術、材料、未来の市場での応用、コンテンツ・アプリの最先端に向かおうとしている。連氏は、「未来の先進技術および世界の産業構造は、ほぼ米国の科学技術系大手に独占されている。規模化産業も日増しに成熟する中国産業、より成熟している韓国産業によって妨げられている。ソニーを始めとする日本の老舗企業のモデルチェンジは、難航が予想される」と指摘した。
清華大学政治経済研究センター上席研究員の李江濤氏は、「日本企業は精良生産・管理に長けているが、日本は経営者から平社員に至るまで、戦略的視野と革新精神が欠けている。これは日本企業の強みの裏に隠された、先天的な弱点だ」と分析した。
日本企業の家電事業の集団的衰退とは対照的に、中国企業は日本企業買収に乗り出している。美的は東芝を、ハイセンスはシャープを買収している。しかしながら日本家電ブランドを得るための買収は、長期的な策とは言えない。業界関係者は、「中国家電メーカーは、産業シフトを受け入れているだけに過ぎない。将来的には、技術の研究開発、応用の革新、ブランド樹立、マーケティング、チャネル構築などの各方面で、徐々に世界家電事業をけん引していかなければならない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月20日