日韓に伝わり発展した射礼
韓国の弓道は中国の「郷射礼」を発祥とする。その文字は、中国の「礼記」や「論語」などの典籍にはっきりと見られる。現在、朝鮮の弓術は世界の二大弓道の1つになっている。ちなみにもう1つは日本の弓道だ。韓国は一貫して弓道の伝統を守り続け、現在の発展に至っている。心身を混然一体とさせながら「無心」の境地に至ることを主眼とする。それは一般的なスポーツとは異なり、儒教の徳性を養う必要がある。韓国のアーチェリーも韓国弓道の伝統の1つとして、民間にかなり普及している。ソウル城北地区の山沿いに建設された貞陵公園に「白雲亭」がある。ここは朝鮮の歴代王族が射礼をした所であり、現在は韓国弓道協会の本部になっている。毎年ここで盛大な射礼活動が行われ、多くの人で賑わっている。
「礼記・射義」が日本に伝わり、日本の弓道が作られた。日本の現代的弓道は、この「礼記・射義」と江戸時代に作られた「射法訓」を融合したものである。日本の射礼は、殺すことを目的としない「文射」として普及した。弓を引き、的に当てて、酒を飲むという娯楽文化と考えられた。そこから日本社会に君臣の義や長幼の分も芽生えた。日本の弓道は中国の弓道とは異なり、独特のスポーツ様式となっていった。
その後、日本の弓道は様々な流派に分かれていった。現存する日本弓道の流派に、小笠原流、日置流、本田流、大和流などがある。現代の弓道は軍事や戦闘の意味を持たず、礼儀の要素が加わり、心身を鍛えることを重視するスポーツの1つとなっている。
現代日本の弓道は、儀式性と儀礼性を持つスポーツとなっている。日本の新年や祭日に、神社で射礼の儀式を行って平安を祈る。これは現在まで続く儀礼活動となっている。中国の射礼と異なるのは、同地の汎神論や禅宗の思想が入っていることである。だから日本の弓道は宗教性が帯びているように感じられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月30日