現在行われている軍事演習「キーン・ソード(鋭い剣)」の一環として、日米は7日、新安保法の内容を反映した初の合同演習を実施した。日本の自衛隊員が戦場で死傷する危険があると多くの批判を浴びながら、同法を一貫して推進し、平和憲法の改正をはかる安倍政権にとっては、この訓練は、自らが目論む方向へのさらなる前進を後押しするものとなる。
米国と日本の軍事演習「キーン・ソード」は1986年から隔年で実施され、両国最大規模の軍事演習の一つとなっている。今年10月30日には、約1万1千人の米軍と約2万6千人の日本自衛隊員、260機の戦闘機と20隻の艦艇が、日本周辺や冲縄、グアム島、テニアン島、北マリアナ諸島の海域に登場し、上陸作戦やミサイル防御の演習を行った。
日本防衛省はこれまで、演習は「定例」のものであると繰り返し強調しているが、「離島奪還」などの敏感な内容を含むことから、国外からは疑いの声が上がっている。新安保法の発効を背景として、今回の軍事演習は、同法で付け加わった「緊急事態」概念を初めて反映したものとなる。日本自衛隊が米軍に「後方支援」を提供する能力を強化することにねらいがある。
日本防衛省が公開している日程によると、日米は7日、海上に墜落した米軍機の乗組員の日本航空自衛隊のヘリコプターによる救助のシミュレーションを行い、9日には、日本航空自衛隊と米軍機が海上で大量のけが人を発見したとの想定で、海上救援機を出動しての合同救助訓練を行う。両国はさらに、「離島奪還」などの実戦訓練を引き続き実施する。
それだけではない。日本自衛隊はさらに、友軍への弾薬提供や、戦闘前の友軍機への給油のシミュレーションも計画しており、集団的自衛権の行使を想定した訓練をさらに進めることとしている。このため同盟国である米韓との合同軍事演習のほか、日本航空自衛隊はしばらく前にはさらに、英国空軍と初めて、日本の本土で合同訓練を行った。前述の状況からも、その意義の大きさをうかがうことができる。