日本の安倍晋三首相は1月4日、三重県にある伊勢神宮を参拝した後に新年最初の記者会見を開き、今年の見通しについて「変化の一年となることが予想される」と強調した。『日本新華僑報網』が伝えた。
安倍首相は、国際情勢が劇的に変化するなか、前例のない新たな政策を打ち出して対応を強化し、経済、外交、国内政治などをより柔軟に変えたと説明。「酉年は、しばしば政治の大きな転換点となってきた」と述べている。
確かに酉年は毎回、日本の政界に大きな変化をもたらした。1993年には第二次世界大戦後の数十年にわたり政権を握っていた自民党が野党となり、2005年には小泉内閣の郵政改革方案が否決され、国会解散の重大な政治危機に陥った。
安倍首相は、酉年が非常に大きな変動要因に溢れているとの見方を示す。英国のEU離脱、トランプ氏の米大統領当選、欧州での極右主義の広がりといった世界情勢をみると、その見方には根拠があるように思われる。
新たな世界情勢のもと、新政策を打ち出して外部環境に対応するのは当然の事ながら重要だ。ただ、二度目の安倍政権は5年目を迎え、その成果を大きくアピールしているが、実際には微々たるもので、現行政策の見直しが急務となっている。
経済政策について安倍首相は、「先の見えない時代にあって、大切なことは、ぶれないこと」と話し、金融緩和と積極財政など「アベノミクス」特有の政策を続ける方針を強調した。 一方、勢いよく始まった「アベノミクス」は5年間もがいており、デフレ脱却や物価上昇2%の目標達成は遥か彼方にある。安倍首相は日本を変えるつもりなら、まず自分自身を変えなければならない。
安倍首相は二度目の就任当初、正社員と非正規労働者の間に存在する「同一労働の賃金不一致」の問題に取り組むと声を上げたが、5年経っても非正規労働者の待遇は改善されないどころか、非正規労働者となる正社員が増えてしまった。日本は現在、非正規労働者が全労働者数の半分近くに上るという世界的にも珍しい状況となっている。