実際には、原発事故の発生の日から、日本側には、情報の公表の遅れや不十分、前後の矛盾などの状況が繰り返し出現していた。例えば事故発生後、放射性ヨウ素によって汚染された水の服用の妊婦と児童に対する影響の検査をめぐっては、日本当局の公表した情報は混乱に満ち、日本産科婦人科学会と日本医学放射線学会が公表したデータは矛盾していた。
福島原発事故は、日本国内の環境と健康の危機をもたらしただけでなく、周辺と世界の海洋環境に対する脅威ともなった。
日本岡山大学の津田敏秀教授らは2015年、国際医学雑誌『エピデミオロジー』(疫学)に発表した論文で、福島原発事故によって漏れた大量の放射性物質の影響で、福島県内の子どもの甲状腺がん罹患率は日本全国平均レベルの20倍から50倍にのぼったと指摘した。
米国『米国科学アカデミー紀要』は2015年、カナダのベッドフォード海洋研究所の研究院の報告を掲載し、北米の太平洋側沿岸で福島原発事故による放射性物質が検出されたと伝えた。
さらに多くの関連研究が、海洋の魚類や生態系、食品の安全にこうした放射性汚染がもたらす影響の広さと深さを示している。
ロシアスプートニクの6日の報道によると、ロシアの極東税関は、極東税関職員が福島第一原子力発電所の事故発生以来、放射能に汚染された日本からの危険物955件を差し止めたことを明らかにしている。
国際社会は現在、「一栄倶栄、一損倶損」(誰かが栄えれば皆が栄え、誰かが損すれば皆が損する)という状況にある。
福島原発事故のもたらした結果によって損害を被るのは、全人類の共同利益である。国際社会は日本政府に対し、放射能漏れ事故による影響をしっかりと除去するためにいかに有効な措置を取るかについての責任ある説明、自国民や周辺国家、国際社会への早期の責任ある釈明を求める十分な理由を持っている。これは日本が自国民に対して果たすべき責任であるだけでなく、隣国の国民と国際社会に対して果たすべき責任でもある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月17日