今日もラジオから聴こえる声・・・。日本のリスナーに向けて“今の中国”を紹介する彼女は同時通訳としての顔も持ち合わせている。様々なイベントで通訳として忙しく立ち働く彼女は自らの行動を通して中日交流を推し進める夢に向かって頑張っている。また、中国の日本語学習者の間でも憧れの存在となっている女性、それが中国国際放送局(CRI=China Radio International)日本語部のキャスター・王小燕である。
電波にのせて伝える中国事情、電波を通じて伝える中日交流
CRIで日本向けのラジオ番組を制作することが彼女の主な仕事だ。取材に始まり、翻訳、収録、番組編集まで幅広くこなしていく。リスナーに向けて日本語で中国の情報を発信し、中日の交流に関するあらゆるトピックを紹介していくのである。なかでも、彼女が立ち上げたインタビュー番組は、この4年間で中日間の交流分野における第一線で活躍する様々なゲストを紹介してきた。番組に登場したゲストは学生から政府関係者まで、その顔触れは多岐にわたり、詩人の谷川俊太郎氏やシンクロナイズドスイミング日本代表ヘッドコーチの井村雅代氏など、各界の著名人も名を連ねている。
彼女は、「この仕事を通じて言葉のスキルを磨いただけでなく、徐々に自分のやりたいこと、理想なども明確になっていった」、「今、中国で起きていること、中日間の知られざる感動的なエピソード、こういったものを電波にのせてリスナーに伝えることができる仕事は、とても意味のある素晴らしいものだと感じている。好きなことを仕事にでき、趣味が仕事といってもいいかもしれない。私はどうやったら生き生きと、わかりやすく相手に伝えることができるか常に意識している」と語っている。
実際、彼女が関わった番組は数々のメディア賞を受賞しているほか、彼女自身も中国の放送界で最高峰といわれる「ゴールデンマイクアウォード(金話筒奨)」を受賞しているのだ。しかし、これらの賞に対しても「受賞はあくまで過去のもの」と気負わない。彼女は常に前を向いているのだ。