前途は多難か
だが安倍政権が新安保法の実施を加速し、改憲を推進している最中、国有地売却と寄付金をめぐるスキャンダルが突如浮上し、首相とその周辺は対応に追われることとなった。
森友学園スキャンダルは、安倍夫妻を巻き込んでますます拡大している。同園傘下の塚本幼稚園では、「安倍首相がんばれ」「安保法制、国会通過よかったです」となどの極端な右翼思想を思わせるスローガンを園児に叫ばせていたことがわかり、多くの人々の疑問と憂慮を引き起こし、これも新安保法の推進・実施に影を落とした。
自衛隊員が戦争に巻き込まれる危険を考慮し、日本政府は11日、南スーダンでの平和維持活動の終結を突然発表した。新安保法に基づく「駆けつけ警護」任務は2016年12月に正式に始まったばかりで、その中止は、「軍事正常化」政策で十分な民意を得られなかった安倍政権が、権力基盤を維持するために迫られた措置と見られている。
新安保法などの問題で「堅固な同盟」の関係にある米国との間で、南スーダン制裁や歴史問題をめぐる意見の対立が生まれていることも安倍政権を焦らせている。ある分析は、日米の外交戦略の目標が違うことを示し、その同盟関係は「揺るぎない」ものとは言えないことを意味していると論じている。内外の抵抗を受け、安倍首相の改憲の道はこれからも困難なものとなりそうだ。