資料写真:日本の新幹線
インドが日本の新幹線を選んだのは、経済的な考慮もあるが、地政学的要素に基づく判断もある。インドが中国資本に対して理不尽な制限をかけたり、中国の生産能力プロジェクトに対して疑いを挟んだりしてることからは、中国に対するインドの懸念がうかがえる。新幹線を選び、中国の高速鉄道技術を選ばなかったことは、インドの地政学的な傾向の結果である。
インドが今後、日本の新幹線を選択し続けるのか、中国の高速鉄道を採用するのか、自前の知的財産権を持った高速鉄道技術を中国と同じように創造することができるのか、今後とも注目していく必要がある。はっきり言えるのは、インドのインフラ建設の遅れや利益の囲い込みをはかる地方の足の引っ張り合い、動揺の続く国内の情勢を考えれば、インドは短期的には、外部の高速鉄道技術と生産能力プロジェクトを導入せざるを得ないということだ。中日両国の高速鉄道プロジェクトの争奪戦で、インドが日本に先取りされたのは、中国の技術や生産能力に優位性が欠けているためではなく、インドの政治的な指向の結果である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月21日