宮崎卓氏:インターネット+ターゲッティングに基づく貧困撲滅は中国の特色を具現

宮崎卓氏:インターネット+ターゲッティングに基づく貧困撲滅は中国の特色を具現。中国は国内貧困人口の削減には大いに実績を挙げ、1990年から2005年までの期間における全世界の貧困削減の76%にあたる貢献をしているとの分析もある…

タグ:貧困 途上国 環境 

発信時間:2017-10-18 12:13:01 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


国際協力機構(JICA)中華人民共和国事務所次長


宮崎 卓

 

 MDGの期間中、中国の貢献が最大であったことは世界に広く知られている事実である。国連が2015年に発表した MDGs達成に対する最終評価においても、世界的に見れば1990年には、開発途上国の半数に近い人口が一日1.25ドル以下で生活していたのが2015年にはその割合が14%まで減少した。


 これは比率でみたものであるが、人数で言えば極度の貧困状態に置かれている人々の人口が19億人から8億3600万人まで、半分以下に減少、10億人以上の人々が極度の貧困から脱却したことになり、世界的な快挙と言える。この中で中国は1990年の61%から2015年には4%と劇的な削減により大きな貢献を成し遂げた、という点も盛り込まれている。中国は国内貧困人口の削減には大いに実績を挙げ、1990年から2005年までの期間における全世界の貧困削減の76%にあたる貢献をしているとの分析もある。


 こうした貧困削減を可能にした要因を考えるにあたり、まずは中国が改革開放政策の適用以降急速な経済発展を成し遂げてきている点が評価に値すると考えている。10%を超える成長率を見せた年も多かった中、経済全体が急速に成長していく中で貧困層の所得水準についても大幅に底上げが進んだと考えられる。


 一方で急速な経済発展の過程において経済格差が拡大する状況も往々にして見られる。中国のケースで言えば、2013年1月18日になって、中国国家統計局は、2003年にまでさかのぼる全国のジニ係数の値を公表したが、80-90年代には0.3台と低かった数値が2003年以降には0.48前後まで高まった後、2008年をピークに緩やかに減少するようにも見える。全体としては劇的に貧困状況が改善しつつも、一方でこうした格差の動向は貧困人口がなお一定の規模で存在していることとも関連していると思われる。


 開発経済学の領域でも、従来発展のスピードに差異がある場合でも、発展の早い領域から遅い領域に向けて成長の果実が「トリックルダウン(trickle down)」していくという議論がなされてきた。しかしながらこうしたトリックルダウンが必ずしも達成されない場合も見られてきたことから、貧困層に対して直接的に働きかけるアプローチが盛んになってきた。目下習政権の下では正確なターゲッティングに基づく貧困削減(精準扶貧: accurate targeting)が重視されているのもこうした流れの中に位置付けられるものと理解している。


 こうしたアプローチの中には、貧困地域におけるインフラ整備に始まり、マイクロクレジットの導入、農村において主要な産業である農業振興等があり、中国においてもこれらの方策に力点が置かれてきたことが、上記貧困削減における中国の大きな貢献の背景にあるものと思われる。


 こうした動きに関連して筆者の所属する国際協力機構(Japan International Cooperation Agency: JICA)においても、中国のプロジェクトを支援してきた経験がある。


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