日英軍事協力強化の戦略的ねらい

日英軍事協力強化の戦略的ねらい。第2次安倍政権発足後、米国の「アジア太平洋へのリバランス戦略」に日本が積極的に加担するようになると、日英の軍事協力もより頻繁に行われるようになった…

タグ:テリーザ 防衛相 横須賀基地

発信時間:2017-10-28 09:23:47 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


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  今年1月26日、日英両政府は、日本自衛隊と英国軍が物資を相互に提供する「物品役務相互提供協定」に調印した。英国は、米国とオーストラリアに続き、日本とこの種の協定を結んだ3番目の国となった。さらにメディア報道によると、日本政府はすでに、英国政府との「地位協定」締結に向けた準備も始めている。こうしたことからは、日英の軍事協力が、技術協力から戦略協力へ、個別案件での協力から全面的協力へとさらなる発展を遂げつつあることがうかがえる。


 両国の軍事協力には日英それぞれのねらいがある。冷戦期には、NATOの一員となることで、英国の衰退の状況は見えなくなっていた。冷戦が終わって実力がわかり始めると、英国は、「虎の威を借る狐」作戦を取るようになった。湾岸戦争とイラク戦争では、米国の忠実な同盟国として米軍と一緒に戦い、莫大な戦費を支払った。だがその効果はいまいちで、ブレア政権は国内世論から激しい反発を受けることとなった。


 湾岸戦争からコソボ戦争、アフガン戦争、イラク戦争に至るまで頻繁に続けられてきた戦争は、米国が冷戦時代にためた力をまたたくまに使い果たし、オバマ政権は戦略の縮小を世界規模で行い、英国軍は脇役さえ演じる機会がなくなった。トランプ大統領が「米国優先」で就任すると、米国政府は、国内の問題と経済振興をより重視するようになり、急速に台頭する中国を抑制する「アジア太平洋へのリバランス戦略」には手が回らなくなった。アジア太平洋の同盟国である日本とオーストラリアへの依存度は強まり、日本に軍事力を強化させることをある程度許さざるを得なくなった。


 英国は一方、EU離脱の手続きの最中だ。EUを離脱すれば別のところから友を探さなければならず、米国に近づくことは必然的な選択となる。また経済や科学技術の面で大国である日本とも協力を強化し、交流を拡大することも考えられる。


 今年7月27日、英国のマイケル・ファロン国防相は、英国が来年、南中国海に空母を派遣して巡航を行い、英国の海上の地位を強める計画であることを明らかにした。これは、米国の「南中国海巡航計画」の脇役を務めることになると同時に、存在感を高めるものともなる。英国はこの付近に、停泊や補給のための港や基地を持っていない。技術や装備、物資供給などで日本と合意を達成しておけば、後々生かすことができる。


 日本政府が英国と軍事協力を強化しようとしているのは、遠い国との関係を通じて、近い国との関係に影響を与えるためである。歴史認識の間違いから、日本はしばしば、「慰安婦」や「靖国神社」などの問題をめぐり、中国や韓国から厳しい批判を浴びている。周辺国家との関係を見渡すと、中国とは釣魚島、韓国とは独島、ロシアとは北方四島をめぐる争いがある。これら一連の矛盾によって、日本は、周辺地域での孤立を深めている。域外の国と関係を発展させれば、孤立を和らげることができるし、必要なら意見や道義の上での支持も求められる。


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