神戸製鋼のデータ改ざん問題が明るみになり、問題は日に日に深刻化している。神戸製鋼の不正をはじめとして、近年日本では企業の不正問題が続出している。2015年以降、東芝の不正会計問題、東洋ゴムの免震ゴム事業のデータ改ざん問題、旭化成の基礎工事の杭打ちデータ改ざん問題、三菱の燃費試験データ改ざん問題など、一連の不祥事が次々に明るみになり、これまで質の高さで名を馳せてきた日本の製造業に暗雲が立ち込め、「メードインジャパン」神話が崩壊し始めている。環球雑誌が報じた。(文:張玉来・南開大学日本研究センターセンター長)
「致命的な一撃」
これまでの不正問題発覚により、基礎が崩れかけていた「メードインジャパン」神話が、先ごろ発覚した神戸製鋼のデータ改ざん問題により、完全に崩壊したという分析もある。
神戸製鋼は日本の製造業体系の上流におり、工業原料のサプライヤーとして、トヨタや日産、ホンダなど、ほぼ全ての日本の自動車メーカーをクライアントとして抱えている。また、住友電装、タカタ、富士通、矢崎部品などの自動車部品メーカー、三菱重工、石川島播磨重工業などの航空産業関連企業、ダイキン工業、パナソニック、三菱電機、日立製作所、日本電産などの電機メーカー、さらにJR東日本、東京地下鉄などの新幹線車両、鉄道車両、ミサイルなどの軍需産業にまで関係し、その影響は未曽有の規模になっている。
今回の神戸製鋼のデータ改ざん問題は10年以上続いていた。つまり、神戸製鋼のこの問題はとても根が深く、不正の影響がさらに拡大する可能性がある。また、調査が進むにつれて、問題のある業務の範囲も拡大を続けており、その範囲は世界各地の生産拠点にまで波及する恐れがある。
神戸製鋼のデータ改ざんは組織ぐるみのもので、問題はとても悪質だ。改ざんに関わったことが既に分かっている従業員や管理者は、アルミ材、銅製品の業務だけでも数十人に上っている。
神戸製鋼は最近、米司法省から関係書類の提出を求められたことを明らかにした。経済のグローバル化が進む今、同問題が世界中に激震を走らせることは、神戸製鋼のクライアントを見ても明らかだ。
神戸製鋼所のクライアントには、米国のゼネラルモーターズ、テスラモーターズ、ドイツのダイムラー、スウェーデンのボルボ、フランスのルノー、プジョー、韓国のヒュンダイなどの自動車メーカー、米国のボーイング、エアバスなどの航空機メーカー、米国のゼネラル・エレクトリック、英国のロールス・ロイス・モーター・カーズなどの航空用エンジンメーカー、インテルなどの電子メーカーなどが含まれている。