東アジアは典型的な例だ。ここはアジア太平洋リバランスの最大の焦点であり、さらに南中国海問題という得難い足がかりもある。しかし米国の「リバランス」は難航し、最後にはフィリピンが寝返り、冗談事になった。
もし今後戦争が勃発すれば、インド太平洋戦略は精彩を放つかもしれない。しかし大国が死力を尽くし戦うような戦争は、21世紀では摩訶不思議なことであり、そのための準備を整えることで国家経済・社会の発展という現実的なチャンスを犠牲にする国はない。米国でさえそうしておらず、安倍政権は4カ国の対話をセッティングするよりも、中日関係改善に意欲的になっている。米日がさまざまな思惑を持っており、豪州とインドを引き止められるはずがない。
グローバル化の時代における中国の台頭とは、どのような性質を持っているのだろうか。これは新世紀の国際政治における重要な問題だ。米日の一部のエリートの答えはシンプルすぎ、時代からかけ離れている。彼らは自分の懸念・失意・嫉妬をコントロールできず、中国に対する大々的だが空虚な戦略を国に要請している。
いわゆるインド太平洋は外部から中国の影響力を測るものさしになっている。オバマ大統領は5年をかけアジア太平洋リバランスに取り組み、中国をインド太平洋諸国にしてしまった。
インドは興味深い国だ。現地主流メディアはこれまで、中国とのGDP成長率、国力増強、国際的な地位の競争に感心を寄せていた。ところが今や、豪州や日本よりも米国から可愛がられようとしている。米国がインド太平洋を掲げると、一部のメディアは、インドが米国の同戦略の「重要な支点」になれたことに狂喜乱舞した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月15日